高校生の就職活動において、面接でどのような質問がされるか、そしてその質問にどう答えるべきか、不安に感じていることがあるかもしれません。高校生にとって、両親や教師以外の大人との会話は緊張を感じることもありますが、就職面接では一定のポイントが存在します。質問応答だけでなく、姿勢や話し方、表情、マナーなども重要です。この記事では、高校生の就職面接で重要なポイントを、入退室から質疑応答まで、各場面に応じて解説していきます。
面接で最も重要なのは、第一印象です。人は相手の印象に影響を受けやすく、その印象が良くない場合、会話に集中することが難しくなります。面接では、適切な身だしなみとマナーが大切です。また、あなたが見られているのは、面接会場だけではありません。部屋に入る時や出る時、控え室での態度も、評価の対象となります。特に控室では、面接の開始時間まで、他の受験者と一緒に待機する場合があります。その間、面接官や企業の代表者がいないこともありますので、大声で話すことやウロウロすること、スマートフォンを頻繁に操作することなどは避けるようにしましょう。面接の緊張感を保ちつつ、礼儀正しく振る舞うことで、良い印象を与えることができます。
入室時、退室時ともに動作を1つずつ丁寧に行う意識をすると印象が良くなります。
入室時のノックは3回、「どうぞ」「お入りください」などの返答を聞いてから入室します。扉を開ける前に「失礼します」と一声かけてから入りましょう。入室し扉を閉めたあと、正面を向き直してお辞儀し、「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶します。挨拶をする場合は、まず挨拶をしてからお辞儀をします。挨拶と同時にお辞儀をすると、動作が流れてしまい不格好です。挨拶、お辞儀と動作を区切ると所作が美しく見えます。「どうぞおかけください」など、面接官に声を掛けられてから着席し、カバンは椅子の横に置きます。
面接が終わったら椅子から立ち上がり、「本日はありがとうございました」と挨拶をしましょう。この場合も挨拶の言葉を述べてからお辞儀をし、動作を同時に行わないよう注意します。扉を開ける前に再度面接官に向き直り、「失礼いたします」と言ってからお辞儀をし、扉を丁寧に開け閉めして退室します。
椅子には深く腰かけず、背もたれは使わないようにしましょう。背もたれを使うと、だらしない印象になってしまいます。背筋を伸ばしてあごを引いて座り、男性は軽く握りこぶしをして両ひざの上に手を置き、女性は腿の間に両手を重ねておくときちんとした印象になります。
相手に聞こえる適切な音量でハキハキと話すことが大切です。無理に大きな声で話す必要はありませんが、ボリュームが小さすぎると質問への回答を聞き取ってもらえません。うつむくと声がこもってしまうため、質問した面接官の方に顔を向けて話すと良いでしょう。
しっかり顔を上げて明るい表情を心掛けましょう。
少し口角を上げるイメージで表情をつくると、自然な柔らかい印象になります。面接は緊張感を伴うため、表情が固くなりがちです。いきなり自然な表情をつくるのは難しいため、事前に練習しましょう。鏡で自分の表情をチェックし、人からどのように見えるかを認識しておきましょう。
志望動機は、応募者の志望度や意欲を知るためによく訊かれる質問です。「なぜその会社に入りたいのか?」を明確に話しましょう。自分なりに魅力に感じた点や、自分が好きなことや得意なことに繋げられそうと思ったポイントでも良いでしょう。
結論から話を始めると、何が言いたいかがわかりやすく、聞き手のストレスも減ります。志望動機以外の質問でも同様のため、常に「結論から」を意識して話しましょう。
入社後に挑戦したい仕事や、将来やってみたい仕事、仕事を通じて何を得たいかなどを話しましょう。これは、「入社してからのイメージ」が描けているかを確認するための質問でもあります。事前に調べた企業の事業内容や、仕事の内容を踏まえて回答できるように準備が必要です。
長所は自分で思う部分だけでなく、友人や先生、周りの人から良いと言われたことがある部分を話すのもおすすめです。具体的なエピソードを添えるとイメージが湧きやすく、説得力も増します。短所は隠す必要はありませんが、短所に対してどう考えて、どう改善しようと思っているかまで話しましょう。
部活やアルバイト、勉強など、自分が注力したことを回答します。大会優勝などの記録がなくても、自分自身が力を入れて取り組んだと思える内容であれば問題ありません。どのように努力したのか、工夫した点はあるかなども合わせて話せると好印象です。
高校生の就活面接で判断されるのは、コミュニケーション能力、協調性、マナー、モラルです。会社側は、高校生を採用するとなったら社会や仕事内容を1から教えていかなければならないのは承知の上で面接しています。はじめから完璧なビジネススキルや実績は求められていません。しかし、会社の一員になっても問題がないと思ってもらえるように、コミュニケーション能力、協調性、マナーとモラルは日頃から磨いておきましょう。