高卒採用の活動スケジュールは、大卒採用とは異なり、行政や主要経済団体、学校組織などの三者による協定によって規定されています。企業は、このルールを理解した上で活動を行う必要があります。各都道府県や高校によって、年間のスケジュールがわずかに異なる場合もありますが、全体的な活動スケジュールは、以下のような流れになります。
高校生の動き
高校生の就職活動のスケジュールは、毎年ハローワークから案内のある「求人票の解禁時期」「求人募集の解禁時期」に沿った年間スケジュールによって決められます。ほとんどの高校では、以下のスケジュールで就職活動が進められます。
■2年生 1~3月 三者面談開始
■3年生 4月~ 就職説明会開始
7月~8月 企業選定、職場見学
9月中旬 応募書類提出、採用選考・面接開始
9月末~11月 中旬 二次募集
高校生の6割以上は9月末時点で就職活動を終了しています。また、例年12月末には9割以上の高校生が就職活動を終えているようです。
他にも、「工業高校」や「商業高校」は比較的就職活動の流れが早く、9月末時点でほとんどの高校生が就職先から内定を獲得しているケースもあります。「通信制の高校」や「定時制の高校」では就職活動の流れが比較的遅い高校が多く、9月中旬頃から就職先の企業を選定する高校生が多い場合があります。高卒採用においては、各高校の特性、就活スケジュールを知ることが重要です。高卒採用の重点ターゲットにしたい高校がある場合は、直接進路指導部の先生に、その高校の就活スケジュールを質問するとよいでしょう。
企業の動き
行政・主要経済団体・学校組織の検討会議によって、毎年の高卒採用のスケジュールや解禁日が取り決められます。企業は高卒採用選考期日から逆算し、どのような新卒採用の活動を行い、採用を成功させるか戦略を練る必要があります。以下は、2022年度高校生の新卒採用のスケジュールです。
■6月1日 ハローワークによる求人申し込み書の受付開始
■7月1日 企業による高校への求人申し込み及び高校訪問開始
■9月5日 高校から企業へ高校生の応募書類提出開始(沖縄県:8月30日)
■9月16日 企業による選考・面接開始及び採用内定開始
企業が高校に対してアプローチ活動を行えるようになる解禁日は7月1日~です。
7月1日より企業は以下2点の採用活動を行うことができます。
・高校訪問:就職を希望する高校生を指導する先生を訪問し、企業の紹介や求める高校生像を含めた求人内容を紹介します。
具体的にどのような高校生に就職してもらいたいのか、月給等の求人条件に勝る企業の魅力を伝えるよう心がけましょう。
・求人票の発送:高校生を採用する企業は、高卒採用専門の求人票をハローワークで作成する必要があります。
原則的に、ハローワークから発行された求人票を用いて高卒採用を行うことがルール化されている為です。
その求人票が公開されるタイミングで、募集を行いたい高校の進路指導部宛に求人票を送付します。